令和6年度2学期始業式 校長訓話
生徒の皆さん、夏休みが終わり、新学期が始まりますが、今日はどんな気持ちで登校しましたか。勉強や進路のことで悩んだり、家族とのことや友人関係などで、不安や悩みを抱えていたりする人もいるのではないでしょうか。誰にでも悩みや不安はあるものです。そんな時には、一人で抱え込まないで、家族、先生、保健室の先生、スクールカウンセラー、周りの友だちなど、話せると思える人に悩みや不安を話してほしいと思います。誰かに話すことで気持ちが楽になったり、解決方法に気づいたりすることがよくあります。
大切なのは、一人で抱え込まず、誰かとつながることだと思っています。また、「何かあったらお相談し合う。」という雰囲気をつくっていくことも大切です。難しく考えずに、まずは久しぶりにあった仲間に声をかけてみてください。
今日は、群馬県教育ビジョンについて理解してもらいたいと思います。
群馬県教育ビジョンの冒頭に、群馬県のこれからの教育の最上位目標が示されています。
自分とみんなのウェルビーイングが重なり合い、高め合う共生社会へ向けて ― ひとりひとりがエージェンシーを発揮し、自ら学びをつくり、行動し続ける 「自律した学習者」の育成―
また、この教育ビジョンには、生徒の皆さんへのメッセージがあります。
自分も、みんなも、幸せになろう。 皆さんの人生をどのようなものにしていくのかを選択し、決めていくのは、他でもない皆さん自身です。私たちは、日々の生活や学びを通して、自分を知り、自分の強みや弱みを理解し、試行錯誤を重ねて、時には失敗しながらも、より良い自分と幸せを求めて生きています。そして、私たちは、自分の人生の主人公であると同時に、自分が生きているこの「社会」の一員でもあります。児童生徒の皆さん ―― 時に、「子ども」と呼ばれる皆さんもまた、「大人」と同じ「社会」 を形成しているメンバーの一人なのです。
ニュースやSNSの中で、「社会が悪い」、「社会のせいだ」という主張を目にしたことはありませんか?「社会が悪いのだから仕方がない」、「社会なんて変えられない」そんなふうに感じてはいませんか? けれど、「社会」というものは、「自分以外の誰か」のことではありません。誰かが勝手に決めているから、自分ではどうしようもない ―― そのように思うことはありません。何故なら、社会を構成するメンバーの一人である皆さんは、「社会」を変える力を持っているからです。 一人きりで今すぐに社会を変えることは難しいかもしれません。それでも、周りの人と話し合い、協力し、より良い解決策を探しながら行動していくことで、「変化」を生み出すことは可能です。 人は、誰しも、生まれついて、自分と社会をより良くしようと願う心や、そのために必要な力を持っています。
こうした「自分とみんなのために動きたい」、「そのために自分の意志で学びたい」という 気持ちを伸ばしていくのか、それとも損ねてしまうのか。それは、皆さん自身の考え次第で す。また、周りの大人の関わり方や環境によっても変わるでしょうし、そこには教育の在り 方も大きく影響すると考えています。 群馬県教育ビジョンでは、児童生徒の皆さんを「一方的に教えられ、守られるだけの子ども」とは考えません。皆さんそれぞれの年齢や状況に応じて、自分の頭で考え、判断し、行動できるようになるための力を身に付けてほしいと願っています。
群馬県の教育をより良いものにしていくために、更には、この社会をより良いものにして いくために、生徒の皆さんと私たち大人とが、共に力を合わせていけたら素晴らしことだと思います。
私も同感です。誰かの頭で考えてもらい、誰かに判断してもらい、誰かに言われたように行動する。楽かもしれませんが、やらされただけではないでしょうか。
要するに何を軸にするかです。ピッチングフォームも、バッティングフォームも、守備のときにも全部軸があります。どこに重心を置くか、どこに力を入れて、どこの力を抜くか。きちんと軸が定まれば、何事も無駄のないきれいなフォームになります。
教育ビジョンの最上位目標にもある「ウェルビーイング(well-being)」とは、「身体的、精神的、そして社会的に良好ですべてが満たされた状態」という意味ですが、これが軸なんどと思います。
「幸せな人は創造性が高い、生産性が高い、寿命が長くしかも健康」と言われているように、ウェルビーイングは個人だけでなく、企業や組織のイノベーション、業務効率化とも関係します。VUCA時代を生き抜く皆さんは、ウェルビーイングが重なり合うためにエージェンシーを発揮し、自ら学びをつくり、行動し続けてください。
最後に、2学期は1年間で最も長い学期であり、進路決定、修学旅行等の各種行事、各種大会があります。学習、部活動、学校行事の3つに取り組んでください。
以上で、2学期始業式の講話といたします。