2025年3月の記事一覧
令和6年度第48回 卒業証書授与式式辞
校庭の木々の芽もほころびはじめ、たしかな春の息吹を感じる今日の佳き日に、ご来賓並びに保護者の皆様方のご臨席を賜り、ここに令和6年度 群馬県立吉井高等学校 第48回 卒業証書授与式を盛大に挙行できますことは、卒業生はもとより、私たち教職員にとりましても、この上ない喜びであります。ここに、厚く御礼申し上げます。
本日、本校のすべての教育課程が終了します。只今、担任から名前を読み上げた125名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。皆さんと一緒に、学びを進めてきた私たち教職員も万感の思いでいます。それは、皆さんの高校卒業までの道のりが、決して平坦なものではなかったことをよく知っているからです。長い道のりを自転車で通学し、朝補習や授業に参加し、放課後は、くたくたになるまで練習に励みながら、全国大会でも優秀な成績を収めた人。高校入学後は、3年間体調が悪い時も体に鞭を入れて無遅刻、無欠席、無早退の皆勤を通した人。学校が楽しい、体を動かすことが楽しくなったと変化していった人。好きな科目に出合い大学で研究を深めたいと、学ぶ楽しさに出合った人。中学では人前に出ることが得意ではなかったけれど、学級委員長の重責を果たした人。強烈なシュートを何度もファインセーブしながら、ベスト8を達成したチーム。全身全霊で引いた弓は、自分そのものだと学んだ人。親に迷惑をいっぱいかけ人。それぞれ、言い尽くせない困難があったと思いますが、ここまで歩んできました。3年間よく頑張りました。
皆さん、人生時計という時計について聞いたことはありますか。人生時計とは、人間の一生を時間に換算して、24時間に当てはめたものです。18歳の人生時計は、何時頃でしょうか。18歳は、24時間でいうと、まだ朝の6時です。うまくいかないのも当然であり、練習する時間もたっぷりあります。人生はまだまだこれからです。どんなことにも挑戦していける若さがあります。様々な事に挑戦しながら、自分という資産をしっかり形成していってください。資産形成で大切なことは、毎日必ず、取り組んで、長い時間をかけることです。お金という資産も大切ですが、自分という資産を大ききすることの方がもっと大切です。30歳は人生時計で午前10時だそうです。何事もフルパワーで取り組める時刻です。30歳の皆さんがどのくらい大きく成長しているか、卒業文集 桜梅桃花(おうばいとうり)を読みながら想像していました。
いよいよお別れの時が来ました。私たち教職員は、みなさんの人間力育成のために伴走してきました。思いが通じず、愁いたこともありましたが、皆さんの成長と成果は教職員の宝物です。皆さんの力を信じています。どこまでも伸びる可能性を信じています。卒業後は学校を訪れることが少なくなると思いますが、吉井高校は皆さんの母校です。遠慮せずに職員室の入り口から、「先生、会いに来たよ」と訪ねて来てください。
最後に、これから新たな人生の旅路に発つ皆さんに、二つお願いします。
一つ目は、現在こうして、健康で毎日を過ごせることのありがたさについて、感謝の念を忘れずにいてください。健康であれば皆さんと一緒に卒業したかった級友の思いを忘れずにいてください。
二つ目は、「迷ったらしんどい道を進め」です。しんどい道の先には、素晴らしい景色が見えるはずです。そして、「しんどい道」を歩めば、多くのことが学べ、力を蓄えることができ、謙虚な人にもなります。皆さんが、努力を続け、より大きく成長し、夢をつかむことを心から願っています。
君に一編の詩を贈ります。作者は、谷川俊太郎さんです。
悪いこころと善いこころ
悪いことと善いことと
ふたつはからみあっている
木に巻き付いた蔓のように
自分をはぐくむのは難しい
自分を枯らすのは簡単だ
あなたを導くのは
ほかでもないあなた自身
あなたはあなた自身を超えていく
自分を発見し続けることで
自分を大切に見つめたい
今日も明日もいつまでも
谷川さんが言っているように確かに自分を育はぐくむのは難しく、自分を枯らすのは簡単です。でも、私たちには、自分自身を育んでいく使命があります。自分自身を育むといっても、決して自分の力だけで育めるものではありません。周囲の意見に耳を傾け、支え合っていくことが大切です。人任せにしないで、皆と力を合わせれば、あなたの可能性が広がっていき、より豊かな人生となることでしょう。
最後になりましたが保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。慈しみ大切に育ててこられたお子様の立派に成長されました姿に感慨もひとしおのこととご推察申し上げます。吉井高校での3年間の高校生活を経て、お子様は心身ともにたくましく、そして頼もしく成長されました。皆様方には、3年間にわたり、本校の教育活動推進のために、温かいご支援と多大なるご協力を賜りましたことをこの場をお借りして、教職員を代表して心から厚くお礼を申し上げます。今後も引き続き、お力添えのほど、よろしくお願いいたします。
結びに、卒業生の皆さんの前途に幸多からんことを心から祈念して式辞といたします。
令和7年3月3日
群馬県立吉井高等学校長 佐藤 治彦
令和7年度入学生用学校案内はこちら
JR高崎駅からのアクセス
上信電鉄を利用
高崎駅 → 馬庭駅(約19分)
片道運賃490円(通学定期使用の場合、1ヶ月10,910円)
馬庭駅より徒歩(約5分)
うぐいす色の4階建ての建物が目印
お問い合わせ先
〒370-2104 高崎市吉井町馬庭1478-1
電話 027-388-3511
FAX 027-388-2298